※このインタビューは2023年9月に行ったものです
はじめに
私たちパクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社(以下:PCJ)は2015年創業のデジタル領域に強みを持つグローバルファームであり、世界基準のナレッジを有し、大手企業様を中心に日々コンサルティングサービスを提供しています。
PCJでは業務効率化コンサルティングや、効率化の一手段としてのRPA導入支援をサービスメニューとしており、2022年12月より数回にわたり、エムエム建材株式会社様における社内業務効率化の推進を目的に、手法やRPA活用に関する研修セッションを実施しました。
今回は、エムエム建材様の中で本研修を企画・推進された情報システム部の皆さまと、所属社員が研修を受講された各部門の皆さまにインタビューを行い、本研修への所感や今後の業務効率化に向けた取組みへの展望などをお伺いしました。
インタビュイープロフィール
川口 正貴 様
情報システム部 部長
松本 健史 様
プロジェクト開発本部 サステナビリティ推進部 営業企画・DX推進課 課長
多賀 稔 様
情報システム部 システム統括課 課長代理
藤谷 昇 様
人事・総務部 人事課 課長代理
檜森 友哉 様
経営企画室 経営企画課 主任
Interview session
研修受講部門の皆さまへインタビュー
ーー本日はお時間いただき、誠にありがとうございます。最初に、弊社がこれまで御社向けに実施した業務効率化およびRPAに関する研修について、全体的な感想をお教えいただけますでしょうか。
松本様: 受講者の社員からは「自身の業務を改めて見直すよい機会になった」、「今後、RPA開発を進めていきたい」というフィードバックがありました。社員にとって非常に良い研修の機会となったと感じています。
檜森様: 研修現場で講師の方が、適宜、分からないことをその場で追加レクチャーいただけたことが助かりました。受講者が挙手して質問すると、すぐに講師がその場に来て教えていただけたため、研修を通して社員も非常に講義内容を理解しやすいと感じたようです。
ーー受講された社員の皆さまの満足度が高かったようで、大変嬉しいです。逆に、今回の研修で消化しきれなかった内容や、もっと詳しく教えてほしかった内容などはありますでしょうか。
松本様: 研修内容は分かりやすかったです。今回の研修を通して、受講者は業務効率化の仕組み自体についてある程度理解した一方で、1回のみの研修でしたので、時間が経過して振り返ると忘れていってしまう内容もあるはずです。今回の研修内容を実務で活用していくには、やはり継続的な社内での働きかけや取組みが必要かなと思っています。
檜森様: ある受講者から「RPAツールの操作方法は理解できたが、そのRPAをどの業務にどのように具体的に活かせるか、まだイメージできていない」というフィードバックがありました。具体例なRPA自動化事例や、RPA活用時におけるコツ・ノウハウなど、より実践的な内容を交えて説明いただくことで、より業務効率化やRPA自動化への社内の動きが進むのではないかと思います。
ーー今回の研修を受けて、その後に御社内で具体的に業務効率化やRPA自動化が進められた事例などがありますでしょうか。また、今後効率化を進めていきたい業務領域などがありましたら、合わせて教えてください。
松本様: 限度管理という業務なのですが、各営業社員が各々同じ作業を行っていた業務に対してRPAを使って自動化しました。一つの部署で自動化したものを他部署にも横展開することができたので、会社全体としての業務効率化に繋がったと感じています。
檜森様: 経営企画課の中で、省庁の統計データ取得など毎月定型的に実施していた業務を、RPAによって自動化しました。今後については、各拠点が実施している共通の業務に対して、経営企画課主導で業務効率化やRPA自動化の実績を積んでいき、各拠点の手間や工数を軽減できればよいなと考えています。また、ルール化が難しくRPAによる自動化を実現できなかった業務も一部ありました。今後はAIの活用も考えていくなど、ゆくゆくは業務を効率化だけでなく高度化していきたいと考えています。
多賀様: 研修後の取組みに人事・総務部として携わっていた中で、大部分の業務がRPAで自動化しようと考えればできる、というのが私の所感です。あるルールに従って進められている業務は、自動化できるはずです。ユーザ部門からRPA自動化の相談が来た中で「これは自動化が難しいな」というケースは少なく、社内からの要望に対してはおおよそ叶えられてきたと思います。
ーー最後に、今後の御社における業務効率化の目標や展望などがありましたら、教えてください。
松本様: コーポレート部門、営業部門を問わず、それぞれの部門がRPAをうまく活用することで、間違いなく業務の効率化につながるな、ということは感じました。社員の皆さんが、日常の業務を実施している中で業務効率化やRPAを意識しているかというと、やはりそうではなく、それまでの慣れで昔ながらのやり方で業務を続けているところが大きいです。今回の研修をきっかけに、業務効率化やRPAの操作性、その効果について社員の皆さんの理解が進み、日常の業務に対して効率化の気付きとなって、それが会社全体として大きな業務効率化の動きにつながっていけばよいなと考えています。
檜森様: 今回の研修を通じて受講者の社員の方が業務効率化の手法を学んだことで、日々自身が行っている業務を、手動ではなく自動化したほうが効率化できるのではないか、と見つめ直す意識付けのきっかけになったはずです。また、RPAだけで業務効率化という考え方ではなく、例えばVBAマクロや生成AIの活用など、今後は様々な手段で業務の効率化を進めていくことを考えていきたいですね。
研修企画・推進部門の皆さまへインタビュー
ーー業務効率化・RPAに関する研修を、昨年(2022年)12月から弊社より御社向けに数回に分けて実施いたしました。弊社の研修サービスを採用されることを当初決定された際の狙いは、どのようなところにあったのでしょうか。
川口様: 御社による研修以前にも、営業部門の業務を効率化しようという取り組みで、RPAにより業務を自動化した事例が社内でありました。部分的にRPAを導入してみて「これは使えるんじゃないか」という印象を持ったのですが、一方で、多くの社員がRPAを知らないことで、RPAを使って業務を効率化しようという発想そのものが出てこないことについて、大きな課題感を持つようになりました。「RPAってこんなことができるんだよ」ということを社内で広めていかないと、全社的に業務効率化の動きが伝播していかないのではないか。また、こういった新たな知識は若手のほうが早く吸収できる半面、ある程度の業務知識がある方が現実的な効率化検討ができると考え、まずは入社2年目の社員に対して本研修を実施することを決めました。
本研修を定型化することによって、社員の業務効率化への意識やRPAの知識を底上げしていき、研修を受けた社員が社内で徐々に増えていくことで、自然と業務効率化への取組みが増えていくだろう、という目論見です。ただ、この取組みを始めた後に感じたのですが、もっと上の社員、例えば課長や部長がRPAで何ができるのかを知らないと、部下の社員に対して的確な指示ができない。そう考えて、上位職向けの研修を社内で提案したところニーズも高かったため、現在はそういった上位職向けの研修も進めています。
ーー研修受講後の社員の皆さまをご覧になって、もともと感じられていた課題に対しての解決策として機能した、という実感はございますか。
川口様: あります。やはり、上長が「こういう業務であればRPAで効率化できるはず」という発想ができるようになったことが大きなメリットです。社内の定型業務に対して、何か効率化できないかな、何か楽ができないかな、という発想が社員に生まれ、実際に自分たちで業務を自動化した事例も出てきています。情報システム部に対して、この業務は自動化できますか、こういった自動化開発はできますか、といったRPAに関する問合せも徐々に増えてきました。また、弊社のグループ会社もこの取組みに参加して、RPAを活用して業務効率化を行ったという事例も出ています。研修後にはこのような事例が多く出てきており、大きな効果を実感しているところです。
ーーまずは若手社員向けの研修でRPAの基礎を理解してもらい、その次に、上位職向けの研修で業務効率化やその一手段としてのRPA活用方法を教えることで、会社全体で業務効率化の取組みを波及させてこられたとのことでした。では次の施策として、具体的にどのような研修や取組みなどを考えていらっしゃいますでしょうか?
川口様: 社員がRPAを学んだことによって、自動化に関連するOCRやマクロなども組み合わせながら、ある程度のまとまりの業務が自動化され効率化できるようになった、というのが今の段階です。ネクストステップとしては、現在の業務そのものを見直して、今までの手順から全く違うやり方に変えることで、その業務が新たな価値を産み出すように変革する、そのような取組みを目指しています。
どのように変革を実現するかは、まだ考えているところですが、現状のあり方から変革していこうという考え方を後押しできるような研修を考えていきたいです。その観点で鍵となるのは、やはりデジタル技術です。社員がDX視点でものごとを考えられるように、様々な研修を企画、推進していきたいと考えています。
ーーデジタル技術が鍵とのことですが、具体的に注目されている技術などはありますでしょうか。また最後に、今後の御社取組みにおける目標や展望などをお聞かせいただけますか。
川口様: 生成AIなどは、新たな価値を産み出すという意味で、非常に大きな可能性を持つ技術と捉えています。活用できれば、今の仕事のやり方もどんどん変わってくるはずです。これまでは、安定性を重視して従前の業務を変えないようにしてきたところもありましたが、これからは変えていくことを常にしたい。その中で、社員が新たな価値を産み出すという発想を持つことで、会社としてもさらに発展、成長していくことができるのではないか、と考えています。
多賀様: 正直なところ、今やっていることが当たり前というアナログな考え方を持つ方がとても多い業界です。しかしそこから殻を破って、新たな価値を提供することで業界に影響を与えられるような立ち位置の会社を目指したいです。
川口様: デジタルという文脈で、商社としての提供価値が今後はがらりと変わってきてもよいと思っています。そういった新しい発想をしてくれる営業社員がどんどん出てくればいいなと思っていますし、コーポレート部門としては全力でその後押しをしていきたいと考えています。
終わりに
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